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目録学発微 (東洋文庫837) [読んだ本]

中国文献分類法

著者: 余 嘉錫
訳者: 古勝 隆一・嘉瀬 達男・ 内山 直樹
発行所: 平凡社
2013/07/10第1刷発行
ISBN: 978-4-582-80837-7
定価: 不明
小B6判 P.432

川西市立中央図書館/所蔵

地味だけど結構面白い東洋文庫より、
中国目録学の教科書が出ました。

中国王朝の蔵書を管理する目的で発展した目録学は、
学問の史として大きく発展しました。

本を特定するため外題など詳しい記載が必要なこと、
学問の趨勢に合わせて動的に分類方法を変化させて
きたことなど、とてもためになりました。

中国は戦乱が多く書籍が亡失しやすいというのは聞いていましたが、
実際に大量に書籍を紛失した事件が記載されていました。

1)始皇帝の焚書。その時無くなってしまった文書は後に暗誦
などで復活しました。人間の脳は最強のRONなんですね。

2)新(AD.8-23)末の動乱。赤眉の乱などでしょうか。

3)後漢末の動乱。三国志で華やかな時代ですが。実際は中国の
人口が10分の1になる悲惨な時代でした。

4)五胡十六国。ゲルマン民族大移動の中国版です。古い
文化は当然衰えたと思います。

5)梁の元帝。元帝は本好きで大量の書籍を集めていましたが、
北朝に攻められて都が陥落した時、自ら書庫に火を放ちました。

(ここまで牛弘による)

6)安史の乱。

7)黄巣の乱。唐末は本にとって難儀な時代だったようです。

8)唐・昭宗が洛陽に遷都した時に大量の書籍を処分。

9)明代、正統年間以降、官僚の怠慢により書籍が散逸。
日本から渡航した僧侶の報告でも明代は文化が衰えて
いたようです。

他にも読んだ時に見落としていると思います。
タグ:書誌学
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